この時期になると、毎年ストレスを感じることがひとつあります。
それは、保育園の運動会用のゼッケンをTシャツに縫い付けること。
四男は生後四ヶ月から保育園にお世話になっていて、毎年運動会に参加してきました。今までで計5回、ゼッケンを縫い付けてきたわけです。今年は最終学年、6回目です。
ゼッケンの周囲をぐるりと縫い付けるのは、なかなかめんどうだしゆがんだりするので(手縫いが超絶に下手なんだと思います)、四隅だけをクロスステッチで留めてみた年もありました(自分の中での方法の過渡期)。しかし、鉄棒で前回りをするときに糸が切れて外れてしまい、先生がガムテープで補強してくださるという結果になってあちゃ~と反省したという思い出があります。ちなみに、安全ピンは危険なので使用を禁止されています。
ところが今年、四人のお子さんを同じ保育園から卒園させた先輩ママさんから、耳よりな情報を聞きました。
先輩「運動会、もうすぐやね」
私「そうですね。そろそろゼッケンを縫わなきゃなぁって思ってるところです」
先輩「それやねんけど……」
私「え?」
先輩「実は、両面テープでいけるねんで」
私「なんですとー!?」
先輩「うん、いける。コツは、四辺を囲うようにまんべんなくテープを貼ることや」
私「そんなのアリですか?全く考え付きませんでしたが」
先輩「アリやで。外れなきゃよくて、危険じゃない方法やったらいいねんもん。そして実際、外れない」
私「もっと……早く……知りたかった……で……す……いや…今年知れただけでも充分ですけど……バタッ」
先輩「笑。だってな、糸で縫い付けても途中で外れたら、どっちにしてもガムテープで貼られるねんで」
私「あ、去年そうでした。あーーーその時点で気付いても良かったのに!!」
先輩「両面テープ、楽やで!準備する方の気ぃも楽になるやろ!」
●ゼッケンは針と糸で縫い付けるもの
●安全ピンは使ってはいけない
そう。
方向性が決まっていると、その制約(思い込み)から思考を飛び出させることはなかなかできないんですね。
○針と糸から、両面テープへ。
○縫い付けるものから、貼るものへ。
飛躍を生む新しい風(画期的な変化)を運んでくるのは、それを超えたことのある他者の視点だとしみじみ感じました。
やはり、横の繋がり、縦の繋がりは大切です。
♪た~てのい………
え~と、なんだか歌が聞こえてきましたね。
独自の視点での経験談、そしてその共有は、いつか誰かを、わずらわしさから解放しうるかもしれない、ですね。
今日は、ゼッケンの付け方を一例として、道具・技術変化の一様相を考えてみました。
考古学は、このような道具・技術変化の過渡期・画期的な背景にも、モノそのものからアプローチする学問なのです。

金田あおい

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