栗きんとんの食べ比べ。~分類と嗜好について~

先日、愛知県埋蔵文化財センターの樋上昇さんご夫妻に、中津川・恵那地域を案内していただきました。

一番の名目は、毎年恒例になりつつある栗きんとんの食べ比べです。

岐阜県中津川市には、毎年秋になると栗きんとんを製造販売する和菓子屋さんがたくさんあるので、そのうちのいくつかのお店のものを買って食べ比べることにしています。

基準資料、老舗「すや」の栗きんとん。お皿は樋上さんの奥様のお手製です。

樋上さんもおっしゃられていましたが、創業が元禄時代の老舗「すや」は基準資料として別格。今年は、そのほか10店のものを購入して帰り、家族で食べ比べました。

それぞれのお店の名前は以下です。

  • 満天堂一休
  • 信玄堂
  • 松月堂
  • 川上屋
  • 七福
  • 一茶堂
  • 田丸屋
  • 仁太郎
  • しん
  • 恵那福堂

「すや」を基準資料として、まず一人1個づつ配り、ほかのお店のものは一個を6等分(6人家族なので)して各自で記録をつけることにしました。

大枠としては、「甘み」「なめらかさ」「形」「色」を、基準資料と比較しながら採点する感じです。この要素は私と長男で抽出しました。ここの部分をどう選ぶかによって、明らかにしたいことが変わってくると思いますので、実際の研究ではよく考える必要があると思います。切り口の鋭さ・目の付け所の独自性が、目から鱗の面白さに繋がるんだろうなあなどと、今回はオーソドックスな分類に甘んじつつ気楽なもんです。栗きんとんだけに、ほおばりながら甘々な考えにw

「うわあ、これは、すやよりも甘い!」

「ここのはなめらかだね」

「ザクザクしてる」

「ちょっとぱさついてない?」

と、それぞれ感覚的なコメントを連発。

楽しいけど・・・これじゃ全然科学的な方法になってないですね。感覚の基準になるものは何なのか、どうすれば科学的根拠を得られるのかについて掘り下げることは、飢えた子供たちには難しいということがわかりました。それはある意味収穫であり、来年への課題です。

結局、それぞれが自分の好みを探すような感じになって終了です。

今年は、夫と長男と四男は「すや」、次男と三男は「川上屋」、私は「一茶堂」が好きだという結果になりました。来年は感じ方がまた違うかもしれないので、それはそれで楽しみです。

基準資料をもとに、各個人で採点。◎がより強い、△はまあまあ、×は弱い、です。が表現が統一されていなく、てんでバラバラの結果に。先頭⭐︎マークをつけたものが一番好きだった店です。

基準となるものを定め、それと比較することによって、さらに甘いのかなめらかなのか、より黄色いのかしっとりしているのかなど個々の様態がわかってくるということは学べたかなと思います。一つだけをまるっと食べてしまって、次に行こうとすると、どちらがどうなのかよくわからないままになってしまいますね。

栗きんとんの食べ比べは、同じ和菓子でもお店によってだいぶ指向が違うということがわかりますし、栗・砂糖(時々トレハロースも)という単純な原材料であっても、これだけのバリエーションを作り出せるということに驚きます。基準資料をもとに、共通性・独自性にフォーカスしてみると、面白い切り口で分類できるかもしれませんね。

今回は、栗きんとんの食べ比べをもとに、分類と嗜好について?書きました。

どれも美味しいけれど、個人的には甘さ控えめの栗らしい風味がするものが好きだということがよくわかりました。

考古学のような科学的な手法の話では全くなくなりましたが、家族全員で比較調査を実施できたことは収穫でした。是非とも恒例行事としたいと思います。皆さんも是非、この季節の間に中津川に行ってみてください。

樋上ご夫妻、お声がけ下さり本当にありがとうございました。来年もどうぞよろしくお願いいいたします!

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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