人を支えているものは。(中編)

人を支えているのは、骨なんですね。
筋肉ではありません。

にもかかわらず、人は筋肉の言うことを聞いてしまいます。なぜなら、骨は何も語らないからです。感覚を送ってくる筋肉に従っていると、楽な方に行きがちなので、猫背になったり四肢が固まったり、体に不調が出てくる場合があるそうです。でも、骨の繋がり方を正しく知ればどうでしょうか。倉持先生は、まずは頭骸骨と脊椎のつながりを見直す必要があるとおっしゃいます。骨の繋がり方は、自分で学ばなければならないのです。

ボイストレーニングのワークショップでは、頭骸骨と脊椎のつながりをしっかりと確認するところから始まりました。そして、頭蓋骨には底がある(私は底まで骨で包まれていると考えたことがなかったのです)ということを教えてくださいました。頭蓋骨の大きさや形、脊椎と繋がっている部分を意識して歩きながらハミングすると、いつもより鼻腔に声が響いているのを体感し、驚きました。

このワークショップを受けてみて、普段、身体の地図を誤って認識している部分がどれほど多いかと気付かされました。頭骸骨だけではなく、目が像を結ぶ場所や、肺の大きさ、腕の始点、指の始点などについても、私の認識は間違っていました。身体の地図を誤って認識していると、可動域が狭まり四肢を自由に動かすことが難しくなるそうです。

ここからは私の考えですが、それは心に対しても言えるのではないでしょうか。自分の誤った固定観念に縛られニュートラルに考えられない時に、怒りや悲しみや無力感がわくような気がします。つまり、怒りや悲しみや無力感の出所をしっかり観察して地図を正しく書き直せば、視野が広がり心の可動域も広がるのではないかと思うのです。

私は、「自分は人前でうまく話すことができない」と固まっていましたが、それも思い込みのひとつだとわかりました。ボイストレーニングの翌週は、講演者として呼ばれた初めての仕事でしたが、姿勢を整えることを意識すると、スルスル話すことができました。

(後編へ続く)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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