君はせんべいとおかきの違いがわかるか。(中編)

アフォード(afford)とは。

例えば、コーヒーカップの取っ手の部分を見れば、無自覚にその部分を持とうと直感的に思う人が多いでしょう。そのような、人のどういう行動を誘発するかということをモノの側から語りかけてくること、つまり環境が動物に対して与える「意味」を訴えてくることをアフォードするといい、モノと人間(動物)の関係の仕方のことをアフォーダンス(affordance)と言います。「このドアが引いて開けるという行為をアフォードする」または、「このドアと私には引いて開けるというアフォーダンスが存在する」というような使い方をします。これはアメリカの近く心理学者ジェームス・J・ギブソンによる造語で、生体光学、生体心理学の基底的概念であり、考古学の分野でも議論されることがある考え方です。

こういった内容がデザインの分野にも広がり、ユーザーインターフェースの考え方にもつながっていっています。おお、いつだって考古学!

情報はそのモノの環境(状況)の中にあって、人間(動物)はその情報を見分けることでそれらの持つ意味や価値を察知することができます。

美味しいかどうかの実態はわからないけれど、せんべいに似ているから多分美味しいであろう。おかきに似ているから、多分苦手な味であろう。それは彼ら(せんべいとおかき)と夫に存在するアフォーダンス。せんべいだろうがおかきだろうがその違いすら気にせず美味しくいただく。それは彼らと私に存在するアフォーダンス。

人によって、それぞれ知覚はズレているのです。

要は、「ぼく、美味しいです」とモノ(この場合はせんべいとおかき)の方から訴えかけてくるかどうかという問題であるということで、それは経験則であるかもしれないし直感的であるかもしれないけれども、受け取る側の人間の関心によるものであるということです。

(後編に続く)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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