ここは歴史の散歩道。(その1)

秋、気持ちの良い季節です。お天気も良かったので、四男と散歩に出かけました。

散歩に出ると、どこにいても、足元は全て歴史的な意味のある場所なのだということに気付かされます。

今日は、私が住んでいる奈良市内での一つの例をお話ししましょう。

法相宗大本山の興福寺は、奈良時代創建の大寺院で、五重塔は奈良の代表的な観光名所でありランドマークにもなっています。猿沢池から見る五重塔はとても美しく、ご覧になったことがある方も多いのではないかと思います。

その五重塔から猿沢池へ降りる階段は五十二段で、降りきったところの道は六方向に分かれているのですが、その数には興味深い意味がつけられています。

クリックすると大きくなります。(デザインは金田)

まず、六方向に分かれているのは仏教における六道(天上道・地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道)の輪廻思想を、五十二段の階段は仏の境地に至るための菩薩五十二位(妙覚・等覚・十地・十廻向・十行・十住・十信)を表しているというのです。

つまり、猿沢池から五十二段の階段を登って五重塔(興福寺)にたどり着くという行動に、菩薩の天上道への修行が表現・意味づけされているということになります。

そう思って五十二段の階段を登ると、普段の景色もまた違って見えてきます。

我が家の子どもたちは、よく五十二段の階段でじゃんけんゲーム(グリコ!チョコレイト!パイナップル!っていう、アレです)をして遊びますが、この意味づけを知ってからは、菩薩の天上道を行ったり来たりしているようで、なんとも微妙な気持ちになりました。笑

階段と辻の分岐の数に意味がつけられたのはいつ頃なのでしょうか。はたまた、初めからそれを意識して作られたものなのでしょうか。気になるところです。

ここは歴史の散歩道、今後シリーズ化してみようと思います。

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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