遺跡に行って考古学Vol.9 「しきしまの大和へ」展に行ってきました

東京・池袋にある古代オリエント博物館では秋の特別展として、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館蔵品巡回特別展「しきしまの大和へーアジア文華往来ー」を12月1日まで開催しています。

チラシを見ているだけで「あれも来てるの!これも見られるんだ!」とテンションが上がります

橿原考古学研究所付属博物館を初めて訪ねたのは高校生の時。以来、今まで数十回は訪ねているヘビロテ博物館のひとつです。現在は全面改修工事のために休館していますが、その所蔵品を東京で見られるということで、家族で出かけてみました。
実は古代オリエント博物館を訪ねるのは、30年ぶりくらい。落ち着いた「大人のための博物館」という雰囲気は変わっておらず、一歩足を踏み入れると時間の流れが変わったような気がしてきます。

しかしながら展示室入口には、展示をより親しみやすくするための試みも。大人も子供も取り組める「ラッキーオリエントアイテムをさがせ!」は、3つのおみくじを引くことで、かたち、用途、印象のキーワードを組み合わせ、それにぴったりとくるイメージの展示品を探してみようというもの。

遊び方を示したわかりやすい解説もあります

早速トライしてみると、私の今日のキーワードは「ざらざら?」「お金持ちの気分が味わえる?」「うっとりきれい」。息子と共にミッションを携え、展示室に向かいました。

「ざらざら」と「うっとりきれい」の相反するイメージから、
どんなものが当てはまるのか想像もつかず…、とりあえずスタートです

「しきしまの大和へーアジア文華往来ー」展は五部構成の展示になっており、橿原考古学研究所付属博物館を代表するような逸品が集結しています。見覚えのある展示品があちこちに見えて、久しぶりの友達に再開するような足取りで、あちこちの展示ケースへ。

観音寺本馬遺跡の土偶。ぜひ横からふくらはぎを見てみてください

ここのところ土偶にアンテナを張っていたので、まずは観音寺本馬遺跡の土偶へ。土偶女子の譽田亜紀子さんが愛してやまない土偶としても有名ですよね。びっくりしているような素朴な顔に見えますが、目のような部分は耳で、目と鼻は省略されています。
注目すべきはふくらはぎ!男性を表現していると言われていますが、立派なふくらはぎは男性らしさの象徴の一つだったのでしょうか。「土偶といえば女性」ではない土偶は一見の価値ありです。

最近の子供たちは墨汁しか使わないそうです。墨をするのって気持ちいいのに残念です

先日金田が行なった、「人面墨書土器ワークショップ」でも話題になっていた円面硯もありました。書道をやっていた夫に「これ硯なんだよ」というとなんだよカッコいいじゃん」と。(今カッコいいって言った!? 出土遺物をカッコいいって言った!? 夫が考古学に関心を持つ日も近いかもしれません!!)

割塚古墳出土の金製垂飾付耳飾は小ぶりながら華やかで
ショートカットに似合いそうです(完全に現代目線です)

現代のものと言っても遜色のない耳飾りもありました。息子とこれはミッション該当品か検討しましたが、ザラザラしていないので該当ならず。

元々は貝で作っていた腕輪。それを石で再現してしまう技術力に驚きます

島の山古墳出土の腕輪型石製品は出土状況の写真とともに展示されていました。粘土槨にベッタベッタと貼り付いた腕輪型石製品は迫力抜群。こうして出土状況の写真とセットで展示するのはとても説得力と臨場感が出ますね。

他にも銅鐸や埴輪、太刀など、考古学に興味のない方でも「知ってる!教科書に載ってた!」という親しみやすい展示品が多数ありますので、ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。

ミッションクリアのため常設展へ

続いて常設展へと足を進めます。
「古代オリエントっていつなの?どこなの?おもしろいの?」と予備知識も関心もなかった家族ですが、シリアのテル・ルメイラ遺跡の家屋の復元模型には興味を惹かれたよう。遺物が並んでいるだけではなかなか想像ができませんが、こうした人々の息遣いが伝わってくるような舞台装置があると、初心者でも時空を超えた旅に出やすくなるようです。

紀元前1800年ごろの復元家屋。パンやビールを常食としていたそうです

私は常設展でも土偶に注目してみました。

まだ歴史の授業も始まっていない息子(小2)ですが、映画ハムナプトラやナイトミュージアムのおかげでミイラの部屋は興味深々。ナマズのミイラには私も驚きました。

「目には目を歯には歯を」のハムラビ法典の複製もありました。玄武岩に彫られた精細な楔形文字は美しく、また予想以上に大きくて驚きました。

展示室の中でもひときわ存在感がありました

さて今日のミッションに基づき、息子と探した「ざらざらで、お金持ちの気分が味わえて、うっとりきれい」なものは、こちらのカットガラス碗に決定! 無事ミッションクリアできてよかったです。

東大寺正倉院の白瑠璃碗と同型のものだそう。結局奈良に辿り着いてしまいました

以上、夫と息子に少しでも歴史に興味を持ってもらおうと、日々活動している多田でした。

アケスケ的ハシゴ情報

今週末の24日(日)までですが、東京国立博物館では御即位記念特別展「正倉院の世界 皇室がまもり伝えた美」を開催しています。
また、私が行ってみたいなと興味を持っているのが、2020年1月26日まで開催の旧新橋停車場 鉄道歴史展示室の企画展「古代文字瓦の世界ー住田コレクションを中心としてー」です。

山手線をぐるぐると巡りながら博物館をハシゴする一日はいかがですか?

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多田みのり
旅と歴史のライター、奈良市観光大使 大学・大学院で考古学、歴史地理学を学び、一般企業に就職。その後、一般の方にわかりやすく考古学の成果を紹介することで、自由に歴史を語り、想像する人が増えてほしいとの思いから、歴史ライターに転職。雑誌やウェブでの取材、執筆、編集のほか、小中学校でのワークショップや講演などを行なう。

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