「女子だって考古学」始めます!

近年、古墳ブームや縄文ブームの到来を機に、考古学をいままでのような硬質な捉え方ではなく、より柔らかく楽しもうという動きが広がっています。
契機となった、古墳への愛を歌で表現する古墳シンガーのまりこふんさん、土偶の入門書などの著作を多数持つ土偶女子の譽田亜紀子さん、土器型クッキー「ドッキーDokki」開発者のお菓子作り考古学者・下島綾美さんらの活躍は素晴らしく、一般人と考古学を結び、確実にファン層の裾野を広げています。

また、九州国立博物館が2015年に考古学に興味のある女性だけを集めた「きゅーはく女子考古部」を発足したところ応募が殺到し、遺跡めぐりなどの部活動を楽しんでいますし、鳥取・むきばんだ史跡公園でも「むきばんだ考古女子部」が2017年にスタートし、古墳めぐりや古代の道具作りなどに励んでいます。

さらには昨年、東京国立博物館で開催された特別展「縄文−1万年の美の鼓動」は35万人以上が訪れ、これまで縄文に興味のなかった人たち、とりわけ若い女性の来館者が多いということでマスコミに取り上げられました。そして、縄文時代がテーマのフリーペーパー「縄文ZINE」では若い女性が表紙を飾り、発行数は5万部(2019年2月時点)を超え、女性や若年層の読者を増やし続けています。

これは、「考古学は女性に人気のコンテンツ足り得る」とか「考古学と女性は親和性が高め」とか「世の中には考古女子は意外と多くいるのではないか」という認識が、世の中的にじんわりと浸透し始めたとも言えるのではないでしょうか。

しかし…。しかしです。
ようやく世間に顕在化した「考古女子」ですが、今回のブームよりずっと前から、考古学を愛する女子は存在していました。研究所、大学、博物館、市町村の埋蔵文化財課、教育委員会など、さまざまなところで考古学に従事する女性がいらっしゃいます。またそれを目指して、いま大学で勉強している女子学生もたくさんいます。

母校である昭和女子大学では、女子だけで発掘のすべてを取り仕切ります。

そうした女性考古学者やその卵たちが、なぜ考古学に惹かれ、どこに面白みを感じ、どのような日常を送り、どんな遺跡に魅せられているのかを紹介する新連載、それが「女子だって考古学」です。
実は数年前に書籍化の企画が通り準備を進めていたのですが、出版社の事情により話がなくなってしまいました。以来、あちこちに持ち込んだりはしていたのですがうまく運ばず…。
であれば、アーケオスケール上で連載しよう!と思い立ったわけです。今の時代、むしろWEBのほうが広がりは無限で、たくさんの人の目に触れるチャンスともなるわけですから、これが運命だったのかもしれません。(とはいえ、ぜひうちで書籍化を!という稀有な出版社様がいらしたら、ぜひご連絡くださいませ! お待ちしておりますm(_ _)m)

ということで、私は私なりの方法で考古学ファンの裾野を広げ、そのおもしろさを紐解いていきます。特に女性にスポットをあてること、そして考古学の様々な研究方法や、考古学を学んだ先にどんな仕事があるかをご紹介したいと思います。
普段、現地説明会や講演会、ミュージアムトークなどでしか姿を見られない考古学者の実像を紹介することで、「ロマンがある」というイメージを超えて考古学をより身近な「職業」として捉えるきっかけになれば嬉しいです。
また、専門職でなくとも、私や金田のように考古学を学んだことを活かしてできる職業にはどんなものがあるかについても触れていきたいと思います。女性を切り口にはしていますが、男女問わずこれから考古学の道を志したいという若い方達の具体的な進路探しに役立つものを、と考えています。

連載は、インタビュー記事を中心に構成していく予定です。もちろんその方がお勤めになっている市町村や博物館なども積極的にご紹介させていただきますので、「うちに取材に来て欲しい!」というご要望があれば、ぜひお声をお掛けください。喜んで伺います!

どうぞお楽しみに!

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多田みのり
旅と歴史のライター、奈良市観光大使 大学・大学院で考古学、歴史地理学を学び、一般企業に就職。その後、一般の方にわかりやすく考古学の成果を紹介することで、自由に歴史を語り、想像する人が増えてほしいとの思いから、歴史ライターに転職。雑誌やウェブでの取材、執筆、編集のほか、小中学校でのワークショップや講演などを行なう。

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