らしさとは何か

お正月に、お雑煮を作りました。
私は鹿児島県出身で、鮎出汁のおすましに、丸餅を煮て作ります。
その中に、かまぼこ、人参、白菜、しいたけ、春菊を入れるのですが、近所のスーパーで購入して使った春菊は独特の苦味がだいぶ抑えられていました。

私はあの独特の苦味を春菊らしさと理解していたのですが、二度目に購入した別の産地の春菊も苦味は抑えられていました。
二例しかない中で仮定するのは安易ですが、春菊の「らしさ」が時代の要請によって変わってきた可能性を考えてしまいました。

春菊を使うことは正月料理において欠かせないという伝統がある。しかし主張しすぎない味であって欲しい(我が家の子どもたちの中にも、春菊は嫌いという子がいます)。
であるならば、春菊の役割は「らしさ」と乖離していく方向にあるような気がしたのです。

否、私が春菊に対して感じていた苦味が、幼い頃に育った地域独特のものだったとすれば、春菊の「らしさ」を決め付けているのは私個人であるという可能性もあります。今回手に入れた地域の春菊は昔から苦味の少ない野菜だったのかもしれません。そこは慎重に調べてみたいところです。

「らしさ」はとても挑みがいのあるテーマです。分類の定義の根幹にも関わってきます。

果たして春菊の「らしさ」とは。若干物足りなさを感じながら、お雑煮をいただいたお正月、また、春菊の苦味がこんなにも懐かしいのかと再確認したお正月でした。

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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