昨日は、岡山県瀬戸内市の寒風陶芸会館さんへお邪魔し、復元須恵器の窯詰めから火入れまでを見学させていただきました。

瀬戸内市周辺には、古墳時代後半から平安時代末ごろまで須恵器を焼いた約130基の窯跡があります。中でも寒風古窯跡群では、7世紀の飛鳥時代を中心とし、約100年間にわたり須恵器が焼かれていました。建物の上に乗せる鴟尾など、特別な遺物も見つかっています。
寒風古窯跡群立地としては、瀬戸内海から北に入った緩やかな丘陵地にあり、1号窯跡は西に面して、2号窯跡は南に面して作られています。陶芸会館からは歩いて3分程度でしょうか。

1号窯跡は3基整列していました。窯壁は落ち込んでしまって現在は平らになっていますが、灰原には多数の須恵器の破片が残されていました。


叩き目のある甕の破片など、本当に美しいです。遺物に残る様々な痕跡から、どのように須恵器が作られていたか、復元に取り組んでいらっしゃる作家さんたちがいます。
寒風は須恵器を都(平城京)に税として納めていたという記録があり、中央と密接な関係があったことで知られています。その歴史については、寒風陶芸会館内の展示スペースで知ることができます。
ぜひ皆様も足を運んでみて下さい。
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金田あおい
代表・デザイナー : 時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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