突撃!となりの研究者Vol.1島田守さん(その4・完)

大学院卒業後は・・・

――正社員としてお豆腐屋さんに勤められたと伺いましたが?

島田さん「そうなんですよ。アルバイトとしては学生時代からずっと働いていたのですが、実験をしながらガラスの研究をしているという経歴を買われて、その経験を活かして商品開発をしてみないか、正社員にならないかと声をかけられました。」

――具体的にはどのような商品を開発されたのですか?

島田さん「お豆腐屋さんの豆乳とおからを使ったドーナツを開発して、そのお店の立ち上げから運営に関わっていました。競合他社との差をつける方向性の設定などから、3店舗までに広げました。

――ターゲット層のマーケティングや店舗拡大に努められたんですね。

島田さん「そうです。結局お豆腐屋さんは社内の改革がうまくいかなくて辞めることになり、次に声をかけてくれたコロッケ屋さんで、また商品開発に携わりました」

――ガラスの実験や発掘調査などで得た経験がアイデアとなって湧き出ててくるんですね。

島田さん「コロッケ屋さんも面白かったですよ。コロッケ屋さんは、ドーナツとは打って変わって徹底的なコスト感覚が身に付きました。ここは体力勝負だったので運動系のクラブをしていたのが役に立ちました。しかし、腰を痛めてしまい去ることになりました。その時に、ドーナツやコロッケの仕事時代に販促関係で関りがあった「㈱中央プロセス」に声をかけていただきました。製版会社で紙ものの製作を手がけ、「CHUPRO」というブランドを立ち上げて、現在は考古学関係の商品開発・営業を担当しています。

島田さんが企画を手がけられている商品は、日本のものやエジプトのものなど地域も多彩です。(画像)老若男女遊べるカードゲームから、マニアックなものまで趣向の幅も広く、考古学の研究成果に裏打ちされたグッズなので、ファンが多いのも頷けます。

私(金田)がお勧めするのは、一点一点紙を巻いて作っている世界の土器キーホルダー。手作業なのにも驚きますが、計算された紙の切り方を知った時は、ははーっとひれ伏したい気持ちになりました。

世界の土器キーホルダー製作の様子。16倍速です。

そんな島田さんにお聞きします。

――考古学に関わっていて楽しいと思う瞬間は?

島田さん「答えのないものを研究するところでしょう。証拠を集める過程が面白いと思います」

――歴史を学ぶことの意味・価値はどのようなところにあると思いますか?

島田さん「見えない将来を楽しいものにする、ものの見方の引き出しをたくさん持てることだと思います。生き方を楽しくしたい時、暮らしに活かす時に効いてくるものではないでしょうか」

――これから学ぶ人へ伝えたいことは何ですか?

島田さん「正解不正解の基準はないので、やりたいことをとことんやったらいいと思います。それなりに努力は必要だけれども、引き出しをたくさん持っている方がいい。無駄なことはありません」

――最後に、推したい遺跡や博物館について教えてください。

島田さん「レバノンのシティサイトという遺跡ですね。地中海にあるガラスの窯跡です。窯の上部は消失しているのですが、床の部分は4基残っています。古代ガラスの製造遺構として、ぜひご紹介したい遺跡です」

古代ガラスの研究を進めながら、歴史意匠の商品開発に携わる島田さん。これから、研究においてもお仕事においてもどんなものを生み出されるのか、楽しみでなりません。

(完)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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