国が配布した布製マスクに関する一考察(その3)

昨日は、A類について比較・分析をおこないました。
今日は、B類についてみていこうと思います。

B類は、A類とは表紙・裏表紙ともにデザインが違っています。

この調査を始めてから、つながりのある人に声をかけて、マスクが入っている袋のおもて面・裏面・届いた時期・届いた地域(市町村)を教えていただき、資料を収集しました。

B類に関しては今のところ12点の資料が得られた(2020.06.26現在)のですが、その中でデザインの差異は確認されませんでした。
ですので、現状では細分化はせず一つの類型として捉えてみたいと思います。B類の中でもし別系統のものを発見された場合はぜひ教えてください。

まず表紙です。
パッとみてすぐにわかる相違点は、A類では裏表紙に掲載されていた「3つの密を避けましょう」のイラストが、表紙の方にまわっていることでしょう。また、最下部の帯の色が黄緑色になっています。

詳しくみていくと、「みなさまへ」の文言が、A類と違っていることがわかります。A類では、不要不急の外出を避ける依頼がありましたが、B類ではそれがなくなっています。また、(マスクは)洗剤を使って洗うことで何度も再利用できると表記されていましたが、「何度も」の文字が消えています。この消失にどんな意味があるのか…と、うがってしまう点です。
最下部の帯の部分にも変更点がありました。2世帯同居の方の問い合わせについて、A類では「受付開始は5月中旬ごろから」とありましたが、B類ではそのスケジュール表記自体がなくなっています

裏表紙の方は、A類と明らかに違います。「新しい生活様式」の実践例と題し、感染防止の基本的な行動について解説されています。1、一人ひとりの基本的感染対策について。2、日常生活を営む上での基本的生活様式について、です。
最下部には、A類にはみられなかった「新しい生活様式」へのリンクバーコードが印刷されています。そして、私がA類を初めて見たとき目を奪われた黄色と黒の帯がなくなり、B類はアラートを感じないものになりました。寒色系で統一され、全体的に落ち着いた雰囲気です。

私が気づいた点をまとめてみます。
・B類はA類よりも緊急性を告げる表現が少なくなっている。
・内容が緊急事態宣言のアラートから、生活様式の変化にシフトしている。
・A類に掲載されていた文言が消失している。特に、「5月中旬ごろから」という記述の消失は、製作時期を特定するのに極めて重要な変更点と考えられる。
以上を総合すると、B類はA類よりも後に製作されたデザインである可能性が高いと指摘できるのではないでしょうか。

みなさまのお手元に届いたマスクのチラシデザインは、どの類型のものでしたか?
簡単に見分けるポイントは、表紙の最下部帯の色です。

A-1類は紫色(6/29、読者さまからのご指摘により紫というよりも濃紺・瑠璃色に近いということがわかりました)。
A-2類は水色。
B類は黄緑色。

もし、このほかのデザインのものをお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報をお願いいたします。

せっかくなのでチラシの内面についても画像を添付しておこうと思います。
この内面のデザインは、今のところA類・B類ともに共通のものしか確認されていません。見落としがあったら申し訳ありません。

A類・B類共通の、中ページのデザイン

ここまでの考察で、チラシのデザインに関してはA-1類→A-2類→B類の順で製作されたのではないかという仮説が立てられました。

明日は、実際に政府が行ったマスクに関する施策・報道の流れと、3類型の変遷を照らし合わせてみたいと思います。

(その4に続きます)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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