国が配布した布製マスクに関する一考察(その7)

昨日までは、みなさまからいただいた画像の情報を元に、チラシデザインから予想できる国が配布した布製マスクの変遷について考察しました。

今日からは、手元にある3つの資料を元に、パッケージやマスクそのものの素材などについて触れていきたいと思います。

3つの資料とは、
・鹿児島県姶良市の実家に届いたマスク(6/8配布)
・奈良県奈良市西紀寺町の事務所に届いたマスク(6/11配布)
・奈良県奈良市陰陽町の自宅に届いたマスク(6/15配布)
です。

チラシデザインは全てB類でした。資料は少ないですが、B類の中でも違いがあるのかどうか検討してみます。

まず、鹿児島県姶良市の資料です。私が初めて手にしたマスクで、これが基準資料となりました。

気づいた点は、
・外袋はシールで留めるタイプのOPP袋。
・マスクの紐がおもて側に出ている。
・マスクが入っている袋は外パッケージのOPP袋よりも柔らかそう。
ということでした。

次に、待ちに待って奈良市西紀寺町の事務所に届いたマスクです。

手にした瞬間思ったこと正直に言います。

なんじゃこりゃ。

鹿児島から届いたマスクのパッケージと、外袋のクオリティーがあまりに違いすぎて(雑に感じられたというのが本音)思わず口に出してしまいました。基準資料がしっかりしたものだっただけに、がっかり感も大きく。

そのおかげで比較してみようという気持ちが湧いたので結果的には非常によかったのですが、ここまで違うとは!とびっくりしたのです。これ、普通は自分のところに届いたものだけで「こういうものなんだ」と品質を受け入れますよね。私はたまたま比較資料を入手でき、それに差があったことで知ることができましたが、何事も、比較することで見えてくるものがあって、それを心に留めておくことは大事だな〜と思ったのでした。

写真でどこまで伝わるかわかりませんが、この2つを並べてみます。

左側が鹿児島県姶良市配布のもの、右側が奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの

奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)のものは、
・外袋は熱圧着のビニール袋。
・マスクのゴム紐が裏側に回っている。
・マスクが入っている袋は外パッケージのビニール袋よりもしっかりしたOPP袋。

この2つを見ただけでも、このように大きく違う点があることがわかりました。
この差は鹿児島県と奈良県の違いなのか……?とこの時は思いました(チラシデザインを検討した結果、すでに配布は都道府県単位ではないことはわかりました)。では、市町村単位によるものなのか?ということについて、奈良市内の2例を比較してみましょう。

最終、奈良市陰陽町の自宅(済美小校区)に届いたものを掲載します。西紀寺の事務所から遅れること4日、厚生労働省が「おおむね配布を完了した」とした6月15日ギリギリに滑り込みで届きました。

手にした瞬間思ったこと正直に言います。

奈良市内でも違うんかーい!(しかも事務所と自宅は隣り合わせの小学校区)」

そうなんです。外袋が熱圧着じゃなかったんです。もっと詳しく見てみると、

・外袋は鹿児島県姶良市と同じ、シールで留めるタイプのOPP袋。
・マスクのゴム紐がおもて側に回っている(これも鹿児島県姶良市と同じ)。
・マスクが入っている袋は外パッケージのOPP袋よりも柔らかそう(これも鹿児島県姶良市と同じ)。
・マスクの面が裏を向いている!(←NEW!!)

左側が鹿児島県姶良市配布のもの、中央が奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの、右側が奈良県奈良市陰陽町(済美小校区)配布のもの

みなさまから資料をご提供いただいている間に、奈良市の中にパッケージとして熱圧着とOPP袋(外袋のことです)が混在するということがわかってきました。
熱圧着は、飛鳥小校区×2・富雄小校区。
OPP袋は、済美小校区・鼓阪小校区。
ちなみに飛鳥小校区に隣り合わせの済美小校区(南西)、鼓阪小校区(北東)は、いずれも奈良中央郵便局管轄です。でもパッケージの仕様が違います。一方、飛鳥小校区と富雄小校区はだいぶ離れています。どのくらい離れているかというと、約10キロで、近鉄の駅でいうと5駅も離れています。郵便配達の管轄でいうと、富雄小校区は奈良西郵便局になります。少なくともその二か所で同じパッケージ(熱圧着)かつマスクのゴム紐が裏側に回っているものが配布されているということがわかりました。
全国からたくさんの方に資料の写真を送っていただきましたが、熱圧着のものが確認されたのは、現状では奈良市飛鳥小校区×2・富雄小校区のみです(2020.06.29現在)。より多くの類例を集めたいので、情報提供をお待ちしています!

厚生労働省の布マスクの全戸配布に関するQ&Aページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/cloth_mask_qa_.html#Q20)には、「今回の布製マスクの配布については、日本郵便の全住所配布のシステムを活用して、一住所当たり2枚ずつ配布することとしており、日本郵便が、対面の配達ではなく、ポストに投函してお届けします。とあるのですが、一体どういう単位で配布されたのか……?市町村単位でもないし、郵便配達の管轄単位でもない…??あれ…??
日本郵便の全住所配布システムの中身が知りたいところです。

たった3種類なのに、比較してみると違う点がたくさんあるんですね。

明日は、袋を開けて、さらに内部の比較をしてみようと思います。

(その8に続きます。)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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