国が配布した布製マスクに関する一考察(その9)

昨日は、マスクの外袋を開けてチラシの色や厚みを確認し、マスクが入っていた袋の質などを比較しました。

今日は、マスク本体の規格を見ていこうと思います。

左側が鹿児島県姶良市配布のもの、中央が奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの、右側が奈良県奈良市陰陽町(済美小校区)配布のもの

ちょっと振り返って、入っていた方向を再度まとめておきます。
鹿児島県姶良市のものは、マスクの面がおもてを向いており、ゴム紐が前に出ています。
奈良市西紀寺町のものは、マスクの面は同じくおもてを向いていますが、ゴム紐が裏に回っています。
奈良市陰陽町のものは、マスクの面が裏を向いていますが、ゴム紐は前に出ています。

パッキングの方向はあまり気にする点ではなかったように見受けられます。マスクの質や機能とは関係がないので、袋の中にしっかり入ってさえいればよかったのかもしれません。

では、マスクの布目を見てみましょう。写真でどこまで伝わるか、ぜひ伝わって欲しいのですが…

どうでしょうか?

外袋が雑に感じられた奈良市西紀寺町のマスクは、圧倒的に布目が細かかったんです。これにはちょっと驚きました。
正直、
や る や ん (パッケージじゃなくて本質に力を注いだのかな)。
と思いました。

ところがです。
あれっ、なんか厚みが違うような……。

左側が鹿児島県姶良市配布のもの、中央が奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの、右側が奈良県奈良市陰陽町(済美小校区)配布のもの

ちょちょちょ、待ってー!
奈良市西紀寺町、重ねの数が少ないです!!
さっきの“やるやん”撤回。

比較した写真をごらんください。
鹿児島県姶良市と奈良市陰陽町のものは、2つに折りたたんだものが5枚重ねになっています。
奈良市西紀寺町のものは、2つに折りたたんだものが3枚重ねです。

目が粗いものは重ねの数を多くすることで飛沫を防げる、また、目が細かいものはもともと飛散しにくいから薄くても許容範囲、ということでしょうか?

左側が鹿児島県姶良市配布のもの、中央が奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの、右側が奈良県奈良市陰陽町(済美小校区)配布のもの

次は、ちょっと引いて写真を撮りました。あれれ…本体・布部分のサイズはほぼ同じですが、ゴム紐の長さにばらつきがあるようです。左右の長さが違うものが複数あります。

 上から、鹿児島県姶良市配布のもの、奈良県奈良市西紀寺町(飛鳥小校区)配布のもの、奈良県奈良市陰陽町(済美小校区)配布のもの

また、紐の太さも微妙に違います。鹿児島県姶良市のものが、もわもわしていて若干太いです。

昨日比較したように、パッケージなど、他の部分については様々な違いがありました。

今日比較しているのは最も重要な布マスク本体です。それでも、やはり複数の会社が関わっているからでしょうか、色々と差が出てくるんですね。

もう1つ、気づいた点があるので載せます。

これも、写真でどこまで伝わるかわからないのですが、布の地の目の方向が違っているように見えます。
洗濯するととても小さくなるという投稿がSNS上で散見されたのですが、この方向の違いによっても、縮み率は変わってくるかもしれません。

また、私に資料を送ってくださった方の中には、明らかに色が違うものが混在しているものを受け取った方もいらっしゃったので、ロットによっては色が違うものもあるのでしょう(厚生労働省も“今回国が配布する布マスクの中には、生地が真っ白ではないマスクも含まれることがありますが、これは、生地の素材である綿の本来の色(生成り(きなり)色:ごく淡い灰色がかった黄褐色)がマスク全体に残っているものです。素材となる綿の性質によっては、漂白の工程を経てもこうした色が残る場合がありますが、ご利用いただく上での問題はございません。”と返答しています。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/cloth_mask_qa_.html#Q20)。

違う点ばかりを追いかけてしまいましたが、いくつか共通する点もみられます。
それは、1つはサイズです。微妙な差はありますが、ほぼ本体・布部分は大きさを揃えてあると感じられます。
それからもう1つは、耳にかけるゴムの結び目がマスクの内側に入れてあるということです。

これについては、厚生労働省の布マスクの全戸配布に関するQ&Aページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/cloth_mask_qa_.html#Q20)に書いてありました。問15です。“使い捨ての不職布製マスクと違って、配布した布製(ガーゼ)マスクは左右のゴムがマスク本体の見えない部分で結んであります。”とあります。
この記述からも、ここは政府がこだわったポイントだったんだなということがわかります。

手元にあるB類3セットを比較した結果をまとめます。

共通点

・チラシの紙質
・チラシのデザイン(今回比較したB類3種の中で、という意味です)
・チラシのサイズ
・マスクの本体・布部分のサイズ
・マスクの耳に掛けるゴムの結び目がマスク本体の見えない部分で結んである点

相違点

・外袋の品質
・マスク袋の品質
・パッキング時のマスクの向き
・パッキング時のゴム紐の向き
・チラシの印刷発色
・チラシの厚み
・マスクの布目密度
・マスクの生地重ね枚数
・マスクのゴム紐の長さ
・マスクのゴム紐の太さ
・マスクの地の目の方向

こうしてみると、全戸配布に際して、政府が何を大事なことと捉え優先したのかが見えてくるような気がします。
モノから人の思いが復元できる一例と言えるかもしれません。

比較したのはたった3種類でしたが、たまたま違うタイプのものが手元に集まっていたことは、検討する側としてはとてもラッキー!でした。
A-1類・A-2類での考察も可能ならばしてみたいところです。

みなさんのお手元に届いたマスクはどんなものでしたでしょうか?ここで触れたものに当てはまらないタイプのものをお持ちの方、また、一緒だったよ!という方も、ぜひ教えてください。

7月1日現在、まだお手元に届かないというお話も伺っています(ニュースにもなっていました。https://news.yahoo.co.jp/pickup/6364084)。
マスクの配達に関するお問い合わせは、

厚生労働省の“布マスクの全戸配布に関する電話相談窓口”
0120-551-299
(9~18時:土日・祝日も実施)

まで電話するといいそうです。私は配達のシステムについて問い合わせましたが、「厚生労働省が日本郵便の配達システムを使って配りました」ということまでしかわかりませんでした。その配達システムの中身について知りたいというのは、窓口が違うようです。出直します。

明日は、このブログを書きはじめてからたくさんの方が追加資料を送ってくださり、新しいこともいくつかわかってきましたので、それを含めて全国の配布状況を再検討したいと思います。

(その10に続きます)

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金田あおい

金田あおい

代表・デザイナー時代意匠考案 藍寧舎
大学・大学院で考古学を学んだのち、考古学や歴史学が持つ肯定的な側面に焦点を当てたデザインをしたいと専門学校へ。現在は、デザイン製作・ワークショップ・トークイベントなどをおこなう、時代意匠考案 藍寧舎(らんねいしゃ)として活動しています。

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